SOLIDWORKS社 3D CAD × Markforged社 3Dプリンタ で試作や治具製作が半日~1日で!
SOLIDWORKS社の 3D CADとMarkforged社の X7 活用方法について、株式会社メトロール 製造部のS様、M様、生産技術チームのH様にお話を伺いました。
株式会社メトロール 様ご紹介
メトロール様は、工作機械向けの精密位置決めセンサの開発・製造でグローバルにシェアを持つ国内メーカーです。
一番の売れ筋は、工作機械の工具の長さを計測するツールセッターと呼ばれるセンサで、世界74か国で50万台以上出荷実績のあるベストセラー製品です。
またFA分野でのタッチスイッチにも強みを持っており、自動化におけるものづくりの現場で欠かせない製品を作っていらしゃいます。
ツールセッター製品
タッチスイッチ製品
3Dプリンタ導入の背景:製品開発を全て3D化へ!
H様は、数年前に一度3Dプリンタの導入もお考えになり、他社製品の実物を見て治具で使用できるかなと思われたそうですが、3D CADもまだ導入前でありその際には購入に至りませんでした。
今回の設備・治具設計にて3D CAD導入による効果を発揮された結果、2022年には社内で3D設計の拡張の機運が高まりました。そこには生産技術だけでなく、製品開発プロセスを全て3D化していこうというメトロール様の強い意志がありました。
― 3Dプリンタはどういった経緯で導入されましたか?
S 様
「これから若手世代が増えていくことを見据えて、また社内でやってみたいという人達が沢山いたこともあり、一気に3D CAD環境を整えようと考えCAD 7ライセンスをまずは増設しました。
そして、meviyの活用だけでなく3Dプリンタで部品を内製化しようと考え、カーボンファイバーを出力できる3Dプリンタ Markforged X7も同時に導入しました。その結果、社内の3D設計は大きく前進しました。
現在はほぼ全設計者が新規開発品を3Dで設計し、試作、治具の多くを3Dプリンタで行っています。」
Markforged Industrial Series : MarkX(X3/X7)とは
多彩な機能を搭載した生産向け3Dプリンタ。
治工具やエンドユースパーツといった試作に留まらない利用にフォーカスを当てた製品。
母材であるプラスチックとカーボンをはじめとする長繊維を配合することで、アルミ切削パーツ並みの強度を実現できるため、従来アルミを使用していたパーツの置換えが可能。
「今回、設備・治具設計において3D CADを導入した際、meviyを活用してそのスピードを実感し、3Dプリンタの導入を決めるキッカケになりました。
3Dプリンタであれば、物によっては半日~1日で出来るのが魅力です。
経営陣にも強度がアルミ並みだと伝えたら、みんな納得していました。」
H 様
3Dプリンタ導入による効果:
内製化による業務プロセスの効率アップ
社内で3Dプリンタを最も活用されているのが、若手設計者のM様です。
これまで社内の加工部門に依頼されたり、外注されたりしていた製品試作、治具設備の多くを3Dプリンタで内製化することに成功しています。
実際に、メトロール様で作成された治具などを見せて頂きました(下の画像参照)
金属のピンを入れて複数部品を組み合わせるなど、M様はプリンタだからこその設計に工夫を凝らしています。
― 3Dプリンタを導入したことで、どのような効果がありましたか?
M 様
「3Dプリンタを導入することで社内の業務プロセスは劇的に変わりました。これまでは切削加工を前提で設計していました。
加工を依頼する社内の加工部門はメイン業務の量産で多忙であり、少しでも負担を軽くするために設計を詰められるだけ詰めて失敗しないようにしてから依頼する必要がありました。
その為、最初から完璧なものを作らなければいけないというプレッシャーも大きかったです。
しかし、3Dプリンタを使うようになってからは基本的に自分だけで完結することができるので、失敗しても低コスト、工数も少なくすぐに作り直すことが可能です。
また、失敗しないように作るという発想ではなく、失敗しても良いから新しいことにチャレンジしようという発想になりました。
現物があることで、実際に使用している方からのアイディアも出やすく、色んな人の意見をもらえるのがいいですね。3Dプリンタがなければ、この形状は作らないよねっていうものもあったりして、アイディアの幅も拡がっています。」
大きなものをいくつも作る際にも、まずは1つだけ実物よりも小さいサイズで作成し、試して構想が良ければ大きいサイズを作るということが可能になったそうです。構想がいいかも実際に試して確認してもらい、それがダメならもう少し大きくしてみるといったやり取りが出来ることで、他部署とのコミュニケーションも円滑になっています。
今後の展望:構想段階でフル活用し新たなチャレンジも
― 3Dプリンタを今後どのように活用していきたいですか?
M 様
「構想段階でアイディアを集める際に、今後も3Dプリンタを大いに活用していきたいと思っています。
3Dプリンタではすぐに2倍モデルを作製出来るので、そこも助かっています。導入して2ヶ月半ほどですが、週の半分ぐらいは稼働させていることもあり、設計者はみんな使い方にも慣れてきました。
現場を歩いていると、こういうものが欲しいと要望があったりするので、夜中に3Dプリンタを稼働させておいて次の日には試作を渡せるなんてこともできます。これからも、現状維持ではなく新しいことに積極的にチャレンジしていきたいと思っています。」
―ありがとうございました。
【会社概要】
株式会社メトロール
設立:1976年6月10日
ホームページ:https://www.metrol.co.jp/
画像提供:株式会社メトロール様
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